本記事の内容
・フロントで働くメリットとデメリット
本記事の信頼性
今まで、1人あたり1万円の宿から、5万円以上する高級なホテルで仕事をしてきました。
ホテルでは、フロント、レストラン、ハウスキーピングを行い、マネージャーや副支配人のような管理職も経験しました。
実際に勤務したホテルの数は合計20以上です。
ホテルのフロントは、「ホテルの顔」です。
フロントに立っている姿からは、華やかさやスマートさを感じます。
実際の仕事はどんなことをするのしょうか?
今回は、温泉地や地方にあるリゾートホテルのフロントの仕事内容をお伝えしていきます。
それではさっそく始めていきます。
もくじ
【リゾートホテル】フロントの仕事内容
フロントの仕事は、お客様のチェックインとチェックアウトをするのが基本の仕事です。
他の仕事内容についても順番に解説していきます。
フロント以外の、ホテルについての仕事内容を知りたい方は、合わせてホテルの仕事には4つの種類があります【現役ホテルマンが解説】をご覧ください
ホテルフロントの仕事内容
・チェックアウト
・客室のインスペクション
・予約の確認業務
・予約のコントロール
・電話の対応
・経理の仕事
・インチャージ
・クチコミへの返信作業
チェックイン
フロントのメインの仕事ですね。
ホテルへ到着したお客様のチェックインを行います。
チェックインはホテルによって、
・フロントでおこなう
・客室でおこなう
に分かれます。
高級なホテルの場合は、客室で行う場合が多いです。
最近はコロナの感染予防のために客室でチェックインを行うホテルも増えてきています。
フロントで行う場合でも、客室で行う場合でも、お客様へ説明する内容は変わりません。
チェックインで行うこと
・領収書が必要な場合は宛て名をいただく
・夕食、朝食時間の確認
・食事のアレルギーの有無
・浴衣や作務衣のご案内
・大浴場のご案内
・BARのご案内
・その他館内施設のご案内
以上の内容を、できるだけわかりやすく簡潔にご案内します。
基本的には、お渡しする用紙にすべて書いてあるので、それを見ながらになります。
用紙がないホテルもありますが、毎回お伝えすることは同じなので、すぐに慣れると思います。
チェックアウト
フロントのメインの仕事の2つ目ですね。
チェックアウトするお客様のお会計をします。
チェックアウトはお金やクレジットカードを扱うので、客室ではなく、フロントで行うことが多いです。
有名人や著名な方の場合は、客室でチェックアウトをおこなう場合もあります。
チェックアウトで行うこと
・領収書の作成(あれば)
・お土産のお渡し(あれば)
チェックアウトで行う仕事内容は、ご利用代金の精算が主な仕事です。
することは少ないですが、お金の受け渡しが発生するので注意が必要です。
以前勤務していたホテルでは、
・お金を少なく渡してしまった
などのミスが、月に1回は必ず起きていました。
一番大変だったのが、クレジットカードで支払った方の金額の「0」を多く入力してしまい精算したことがあります。
その場では気づかず、お客様が帰宅したあとに気がつきました。
お客様へお電話をし、謝罪をしたり、カード決済の取り消しをしたりと、それだけで何時間もかかってしまいました。
チェックアウトはお金を扱う仕事なので、いつも以上に集中力が必要になってきます。
客室のインスペクション
インスペクションとは、点検、検査のことです。
客室の最終チェックのことですね。
客室の清掃のあとにフロントのスタッフが入り、客室の最終チェックを行います。
チェックする箇所
・照明は切れていないか
・客室露天風呂の温度は適温か
・髪の毛やゴミが落ちていないか
・浴衣のサイズは指定されたものか
・館内ばきのサイズは合っているか
・テーブルの上は汚れていないか
・枕や布団にシワや汚れはないか
・洗面所に歯ブラシなどの備品は入っているか
・トイレは汚れていないか
・指定されたものは入っているか(サプライズのケーキなど)
これを、だいたい1部屋10分〜20分で行います。
ホテルのチェックインは15時からのところが多いので、それまでにすべてのインスペクションを完了させます。
予約の確認業務
ホテルには毎日新しい予約が入ります。
その予約を確認するのもフロントの仕事です。
必要があれば、確認のためにメールか電話でお客様へ連絡をします。
予約の確認でチェックすること
・苦手なものやアレルギーの詳細
・ケーキやサプライズの手配品の確認
・質問についての回答
この確認をサボってしまうと、当日バタバタしてしまいます。
どんな仕事も準備が大切ですね。
予約のコントロール
ホテルによっては、予約のコントロールもフロントがおこないます。
予約のコントロールとは、何日に何部屋を、一泊いくらの金額で販売するのかを決める仕事です。
平日は価格を少し下げたり、土日祝日は価格を上げたりします。
ホテルの売り上げに直結するので、重要な役割です。
この仕事は少し難易度が高く、経験も求められますので、ベテランのスタッフが担当することが多いです。
ホテルの会社によっては、予約専門の部署をもうけるところもあります。
電話の対応
かかってきた電話に対応するのも、フロントの役割です。
電話には、
ホテルの外からの外線と、客室からの内線があります。
どちらの電話についても、難しいことは質問されません。
ただし、電話だと顔が見えないので、直接お話するより印象が悪くなりがちです。
丁寧な言葉使いと、真摯な対応を心がけることが大切になってきます。
経理の仕事
ホテルではお金を管理する経理の仕事があります。
経理担当がいるホテルもあれば、フロントのスタッフが経理業務をおこなうところもあります。
経理の主な仕事内容
・小口現金の管理と報告
・減価率の計算と報告
・取引先との請求書のやりとり
経理の仕事は、数字をあつかう細かい作業が多いので、向き不向きがあるかもしれません。
インチャージ
インチャージとは、現場の責任者のことです。
仕事がうまく回るよう、コントロールする役割のことです。
インチャージの指示が間違っていると、スタッフが混乱し、お客様に迷惑をかけてしまうことになります。
基本的には、マネージャーなどの役職者がインチャージを行います。
クチコミへの返信作業
ホテルには日々さまざまなクチコミが入ります。
じゃらん、楽天、一休などの予約サイトやグーグルのクチコミです。
返信をするのもフロントの仕事です。
特に内容がクレームであれば、早急に返信することが求められます。
クチコミの返信も、基本的にはマネージャー以上の役職者がおこなうことが多いです。
フロントで働くメリットとデメリット
ホテルのフロントで働くメリットとデメリットにはどんなものがあるのでしょうか?
フロントのメリット
これがフロントの一番のメリットです。
「そんなこと?」
と思うかもしれませんが、とても大事なことです。
ホテルの、レストラン、ハウスキーピングの仕事は、基本的にずっと立ちっぱなしです。
8時間勤務の場合は、8時間立ちっぱなしです。
その理由は、座って行う業務がないからですね。
フロントは違います。
予約の確認や、電話対応などの業務はイスに座ってデスクで行います。
チェックインやチェックアウトの業務は立っておこないますが、仕事の合間に座ることができます。
わたしは現在30代ですが、座れるという有り難みを最近感じています。
体力に自信のない人、30代以降の人は、フロントで働く方が、体力的には楽かもしれません。
フロントのデメリット
フロントで働くデメリットは、フロントやハウスキーピングの仕事と比べて、
な点です。
レストランはお客様のいらっしゃる時間がある程度決まっています。
朝食は8時〜10時
夕食は18時〜20時
みたいな感じです。
ハウスキーピングの仕事も時間が決まっています。
客室の清掃は11時〜15時までです。
フロントに関しては、チェックインがいつ来るか分かりません。
チェックインが来ないと上がれない
ということが良く発生します。
そのため、フロントの残業時間は、他部署に比べて多くなりがちです。
座ることができるので体力的には楽だけど、長時間労働になりがちなのが、フロントの仕事です。
まとめ:フロントに向いてる人は?
最後になりますが、フロントに向いている人はどんな人でしょうか?
サービスをがっつりやりたい人はレストラン。
サービスが好きだけど、パソコン業務もしたい人はフロントが向いています。
そして、将来ホテルの支配人を目指している人もフロントを経験すべきかと思います。
レストランの仕事を知らない支配人はたくさんいますが、フロントの仕事を知らない支配人はほとんど見たことがありません。
という人は、フロントの仕事をしていた方が良いです。
とはいえ、ホテル全体の流れや、働くスタッフの気持ちを知ることができた方が良いマネジメントは可能になります。
レストランやハウスキーピングも経験していて損はないかと思います。
ホテルの仕事は楽しいこともたくさんあります。
>>ホテルの仕事で楽しいと感じる瞬間
色々経験して、自分に合っている仕事をみつけましょう。
今回は以上です。