こちらの疑問にお答えします。
本記事の内容
・二次試験の勉強期間と最低限必要なもの
・論述試験で大切なこと
・2020年二次試験の感想
本記事の信頼性
結論からですが、ソムリエの二次試験は一人の力だけで合格するのは難しいです。
その理由と、合格する方法を解説していきます。
まずソムリエ二次試験の内容を簡単に確認してみましょう
ソムリエ試験は5種類、ワインエキスパート試験は3種類をテイスティングし、その特徴を解答用紙に記入します。
解答用紙の項目は毎年少しの変更はありますが、だいたいこんな感じです。
それぞれの項目から正解を選び解答用紙に記入します。
項目によって記入する数が決まっています。
例えば
みたいな感じです。
初めてソムリエの二次試験を受ける方は、
「難しそうだな、、」
と感じるのではないでしょうか。
私も昨年初めて受験したので、
「初心者なのに合格できるのかな、、」
と不安になりました。
それでも一発でストレート合格することができました。
正しい勉強をすれば、必ず合格できます。
それでは二次試験に合格する方法をお伝えしていきます。
もくじ
ソムリエ二次試験に独学で合格する方法
二次試験は自分一人だけで合格するのは難しい
いきなり残念なお知らせですが、二次試験は自分一人の努力だけで合格するのは難しいです。
なぜなら、二次試験はテイスティングの試験だからです。
勉強をするには「答え」が必要です。
一人での学習だと、テイスティングの答えが用意できません。
一次試験には「ソムリエ教本」という「答え」がありました。
分からないことがあっても、「ソムリエ教本」を開けばすべて書いてあります。
しかし、テイスティングにはその「答え」がありません。
具体例
近くのスーパーでワインを購入してテイスティングの練習をするとします
・品種はシャルドネ100%
・産地はアメリカ
・価格は2000円くらい
自宅に帰り、テイスティングします。
外観、香り、味わいを確かめながら練習用の解答用紙に記入していく。
そしてあることに気がつきます。
『模範解答がない』ということに。。。
練習(勉強)は解答があり、答え合わせができて、はじめて意味があります。
解答がないのに練習しても意味がありません。
答え合わせができないテイスティングの練習は、「ただ飲んでるだけ」です。
二次試験対策のサイトを見てみると、
「ワインはできるだけたくさん飲んだ方が良い」
みたいなことが書いてありますが、それも間違いです。
二次試験は
ではありません。
テイスティングをするときは、外観、香り、味わいを確認しながら答え、その答えが合っているかを確認しながら行わないと、合格に近づくことはできません。
「シャルドネ」の特徴はだいたいこうだよね。
みたいなものが市販の本に書かれてはいますが、それが『今』目の前にある「シャルドネ」の特徴と同じであるとは限りません。
「シャルドネ」は、少し甘みを感じるものや、酸味が強いものなど様々です。
「シャルドネの特徴はこれ!」
と固定して覚えてしまうのは危険です。
ではどうしたら良いのか??
友人か会社の人に模範解答を作成してもらう
第一線で活躍をしていて、学びを継続している人に、ワインの模範解答を作成してもらうのもありです。
しかし、そうでない場合は聞かない方が良いでしょう。
ソムリエの資格を取ったのが数年前で、今は全く別の仕事をしている。
みたいな人は、「ソムリエの資格を持ってる」だけの人です。
ソムリエの二次試験の表現方法は毎年変わることもあります。
聞くなら「現役で、なおかつ学びを継続している人」に聞きましょう。
周りに聞く人がいない場合はどうしたら良いのでしょうか?
私も昨年はそうでした。
会社にソムリエはいましたが、資格を取ったのが10年前だったらしいので、聞くのはやめておきました。
そんなときは、その道のプロに力を借ります。
リモートで学べる講座がオススメ
「一人でテイスティングを勉強するのが難しいのはわかったけど、スクールに通うのは大変だし面倒。コロナもあるから心配」
そんなときにオススメなのが、リモートで学べる講座です
私は昨年、VINOTERASが主催する二次試験対策に申し込みをしました。
(2021年4月の時点では、2021年の二次試験対策講座はまだ始まっていないようです)
昨年のサイトなので申し込みできませんが、参考までに載せておきます。
>>2020年ソムリエ、ワインエキスパート二次試験対策講座
昨年の私の二次試験対策はこれしかやっていません。
18,500円で全3講座です。
ワイン6種類が3回とも付いてきますので、他のスクールよりもお得かと思います。
昨年の講座はzoomを使って行いましたが、その時間に視聴できなかったとしても、期間中であれば繰り返し観ることができます。
YouTubeで学ぶ
講師の佐々木健太さんが解説している、YouTubeもオススメです。
>>佐々木健太のサイバーワインスクール
もちろん無料で観れます。
こちらで最初は学び、良い思ったら有料の講座を申し込むのもありだと思います。
テイスティング初心者の私でも、
「テイスティングってこういうことなのか!」
と理解することができました。
オススメの動画はこちらです
>>【ソムリエ2次試験対策】テイスティングを最速最短で習得する!?
それでも自分一人で勉強したい方は
「テイスティングは慣れてるし大丈夫」
「一人で出来るよ」
という方もいると思います。
そんな方には二次試験の対策は必要ないかもしれません。
二次試験の合格率を見ても分かる通り、毎年80%前後の人は合格できます。
ソムリエ | ワインエキスパート | |
2020年 | 85% | 73% |
2019年 | 73% | 78% |
2018年 | 82% | 67% |
2017年 | 78% | 78% |
2016年 | 75% | 75% |
直近5年間の平均 | 79% | 74% |
落ちるのは残りの20%だけです。
経験者や仕事で活躍している方は、よほどのことがなければ合格できるでしょう。
とはいえ、落ちてしまうと一年間は待たなければいけません。
確実に合格したいですね。
小瓶詰め替え法
ソムリエ二次試験対策の有名な練習法として、「小瓶詰め替え法」というのがあります。
簡単に紹介します。
↓
小瓶に詰め替える
↓
テイスティングの練習をする
メリット
・酸化しづらい
・銘柄を隠してテイスティングできる
デメリット
・ワインを小瓶に移すのがめんどくさい
・小瓶を用意しなければいけない
・テイスティングの答えはないので自分で用意が必要
詳しい方法はこちら
>>独学でソムリエ二次試験に合格する、小ビン詰め替え法 概要
私は小瓶を準備するのと、小瓶に詰め替えるのが面倒だったのでやりませんでしたが、興味のある方はやってみてください。
テイスティングを学ぶのにおすすめの本
こちらの本には、テイスティングとはなんぞや、という事や品種の特徴など書いてあります。
完全に独学で勉強する方にも役立ちます。
私はそれでも不安だったのでリモートの講座に申し込みましたが。。
二次試験の勉強期間と最低限必要なもの
二次試験の勉強期間
未経験の方でも1ヶ月あれば大丈夫です。
二次試験は一次試験と違って暗記することは多くありません。
テイスティングの基礎さえ抑えることができれば合格できます。
一次試験が終わってからテイスティングの練習を始めても遅くはないです。
私も昨年は、一次試験が終わってから2次試験の勉強を始めました。
テイスティングの練習をするときは、毎日2品種か3品種くらいをテイスティングするのが良いと思います。
1品種だけだと他と比較することができませんし、4品種以上になると多過ぎて分からなくなります。
最低限必要なもの
二次試験のために最低限これだけはあった方が良いものを紹介します。
・酸化防止剤(なくても良い)
結論、グラスだけ購入すればOKだと思います。
酸化防止剤はあったら良いなくらいのレベルです。
私はワインが酸化して味が変わるのが嫌だったので、飲み残したワインを保存する度に使っていましたが、気にしない人なら不要です。
グラスは国際規格のものを準備しましょう
「練習は本番のように、本番は練習のように」
こんな言葉があります。
自宅でのテイスティングの練習に使うグラスは、本番と同じものにした方が良いでしょう。
本番は緊張します。
いつもと違うことがあると余計です。
自宅で使い慣れたグラスとが本番でも出てくれば、緊張も少し和らぎます。
正直、ワイングラス6脚を同時に使うことはないので、3脚あれば充分です。
1脚ずつの購入だと送料が高くなってしまいますが、、
ダイソーやSeriaなどの100均でも似たようなものがあるので、それで代用しても良いと思います。
ただし素材感は違うのでそこは我慢が必要です。
国際規格のテイスティンググラスのサイズ
酸化防止剤
こちらはあったら良いなくらいです。
味が変わるのが嫌で、几帳面な人は嬉しいかもです。
論述試験で大切なこと
二次試験のテイスティングと同時に行われるのが、論述試験です。
論述試験は三次試験の審査対象になります。
二次試験には関係がありません。
詳しくはソムリエ協会HPへ
>>2021年度 J.S.A.ソムリエ・J.S.A.ワインエキスパート呼称資格認定試験
「なんで三次試験の日にやらないんだろう」
と疑問に思うかもしれません。
私もそうでした。
おそらく、三次試験は実技があるので運営側が大変だからというのが理由かと思います。
「二次試験はテイスティングで受験者が全員座るので、そのときにやってしまおう」
という考えなのかと。
(あくまで予想ですが)
論述試験も対策が必要
三次試験は実技と論述の合計点で合格者が決まります。
合格率は毎年80〜90%でとても高いです。
しかし、10人いたら1人か2人は落ちることになります。
三次試験合格率(ワインエキスパートは三次試験なし)
ソムリエ | |
2020年 | 84% |
2019年 | 93% |
2018年 | 89% |
2017年 | 92% |
2016年 | 96% |
直近5年間の平均 | 91% |
三次試験を経験して思ったのは、実技試験には受験者同士の差はあまりないということでした。
三次試験は、6人1グループで実技をおこないます。
私のグループの方は全員、失敗することなく上手にサービスをしていました。
さすがに三次試験まで進めば、みなさんサービスの練習はしてくるのかなと。
普段からサービスに慣れている方であれば問題なく出来ますし、慣れていない方(お客様の前でサービスする機会が少ない人)もうまくやっているようでした。
私の三次試験のグループには、CAの方がお二人いました。
「コロナもあったので普段はワインのサービスする機会がない」
とお話しされていましたが、本番では上手にできていました。
(本番は私の両側にCAさんがいたのでよく見えました)
どこで三次試験の不合格が決まるのか?
それが、二次試験の日に行われる論述試験です。
「受験者の声」をネットやTwitterで検索してみましたが、論述試験の対策をきちんと行なっている人はそんなに多くはないと感じました。
なかには、
「分からないので白紙で出した」
「全く分からず1行しか書けなかった」
という人もいました。
少し厳しい意見かもですが、三次試験で落ちるのはその人達からだと思います。
ということは、三次試験は10%前後しか不合格にはならないので、しっかりと対策をすれば合格する可能性が格段に上がるということです。
論述試験の対策方法
論述試験は対策が難しいと言われています。
その理由は、範囲が広過ぎだからです。
それでは過去2年間の論述試験の問題と解答を見てみます。
(見づらくてすいません)
2020年の論述試験の問題と解答
2019年の論述試験の問題と解答
模範解答を見ていかがでしたか??
いったい何人の人が完璧に解答できるんでしょうね、、、
私は2020年に受験しましたが、3つ目の「オーストリアンゼクトgu」なんて全く分かりませんでした。
でも安心しましょう。
他の受験者もあなたと同じです。
完璧に解答できる人なんて、ごく少ない秀才だけです。
論述試験はすべて埋めることを考える
三次試験の論述で大切なことは、出来るだけ解答用紙を埋めることです。
解答用紙は200字とか400字のマスがあり、問題ごとに決まっています。
それぞれのマスを埋める努力だけは絶対にしましょう。
それをするだけで、下位10%からは脱出できます。
どうやって埋めるか
結論、知っていることを書くしかありません。
本番はもちろん何かを見ることはできないので、自分の頭から情報を引っ張るしかありません。
2019年の問題を例に考えてみます。
良い例
まずは知っていることを箇条書きにして書き出す
「チーズということは分かるが全く分からない」
ここで諦めてはダメです。
ソムリエ試験はワインの試験です。
スペインということが分かったら、そこからワインに関連するものを考えて出来るだけ書きだします。
「テンプラニーリョ、シェリー、スパークリングワイン、サングリアは暗記しているな」
「あとスペインと言えば世界3位の生産国だな」
「リオハとカタルーニャは産地で覚えているな」
スペインに関連するものを自分の頭からできるだけ引っ張りだします。
これをなんとかそれっぽい文章にするために繋げます。
私だったらこんな感じで解答用紙に記入します。
これで198文字です。
知っていることを繋げただけですが、解答っぽくなりました。
「ケソマンチェゴ」についてはほとんど触れていませんし、模範解答とも違います。
しかし、0点を付けられることもないでしょうし、部分点で何点かはもらえます。
おそらくですが、ここまで書けば下位20%に入ることはないでしょう。
すなわち実技で大きなミスをしない限りは合格できます。
悪い例
次に論述試験で絶対にやってはいけない悪い例です。
問題は同じ、「ケソマンチェゴ」で解答してみます。
「牛だっけ、羊だっけ、、覚えてないな、、」
「地区も忘れちゃったな、、」
「全然覚えてない。終わった。。。」
→こんな思考になってしまい提出した解答がこちら
文字数は11文字です。
この解答では、「私を落としてください」と言っているようなものです。
本番でやっちゃいけない悪い例です。
分からないなら、分からないなりに書く
努力している姿勢がソムリエ協会の試験官にも評価されます。
私たちがレストランで仕事をしていて、お客様に何か質問をされたら、
「分かりません」
とは答えないはずです。
自分が知っている知識、経験を総動員して、「なにかしら」は答えるはずです。
論述試験では、そんな真摯に向き合う姿勢が見られています。
論述試験もプロから学ぶ
私は論述試験の対策も、二次試験と同じこちらの講座で学びました。
(このサイトは2020年のです)
2021年の二次試験も近づけば、おそらく開催されると思います。
価格は5000円でしたが、非常に分かりやすく解説されていて勉強になりました。
私の論述試験対策はこれしかやっていません。
2020年二次試験の感想
正直なところ、一次試験ほどは緊張しませんでした。
緊張しなかった理由はこちらです
・テイスティングと論述試験の対策をしっかりと行なったので自信はあった
勉強する期間は一次が終わってからだったので、一ヶ月ほどしかありませんでしたが充分に間に合いました。
一ヶ月あれば対策できますが、月日は経過するのも早いです。
ギリギリになって焦らないように気をつけましょう。
二次試験で注意すること
それは、「吐器」が使えるかどうかをちゃんと確認することです。
(吐器とは口に含んだワインを吐き出す容器のことです)
ちなみに2020年の二次試験では「吐器」の使用は禁止されていました。
記事を書いている現在は2021年4月末ですが、コロナは終息する気配がありません。
2021年の二次試験が行われる10月もおそらくそうでしょう。
「吐器」は禁止される可能性が高いと見ていた方が良さそうです。
「飲み込む」、「吐き出す」では味わいが変わる
試してみると分かりますが、結構変わります。
これはプロのソムリエも言っています。
大切なのは、練習と本番の環境は一緒にしましょうということです。
これでは、同じワインをテイスティングしたとしても、結果にズレが出てしまいます。
練習と本番の環境は同じにしましょう。
吐器の使用が分かるのはギリギリ
4月末の時点で、2021年の二次試験で吐器が使えるのかは不明です。
2020年も、発表されたのは1ヶ月くらい前だと記憶しています。
お酒が弱い人にとっては大変かもしれませんが、吐器が使えるか不明なのであれば最初から飲み込んで練習した方が良いかもしれません。
ずっと吐き出していたのに、吐器の使用が禁止と分かってから飲み込む方法にチェンジすると、適応するのに時間がかかります。
最初から吐器は使用出来ないと思ってトレーニングした方が、のちのち楽かもしれません。
まとめ
二次試験はテイスティングと、三次試験の審査対象になる論述試験があります。
突破を確実なものにするため、リモート講座を受講することをオススメします。
一次試験に比べて、二次試験、三次試験の合格率は高いです。
しかし、油断して不合格になってしまうと、次に受験できるのは一年後です。
最後まで油断せずに試験へ挑みましょう。
応援しています。
今回は以上です。